とあるホタルの話・ほんのりHL
【製作日】2016年頃
以下追記
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ある夏の夜、草むらの中でたくさんのホタル達が飛び交っていた。
ホタル達は自分のお尻を光らせては自分の場所を知らせたり、他のホタルと会話をして楽しんでた。
その中に一匹のホタルがいた。
そのホタルは上を向いたままじっと動かずに、お尻から黄色の光をだしていた。
「おーい!なにをしてるんだー?」
どこからか仲間のホタルが緑色の光をだしながら飛んできた。
仲間に気づいた黄色の光のホタルは「やあ」とお尻を点滅した。
「今ね、空を眺めていたんだよ」
「そっか。今日もいい天気だから星がよく見えるな!」
「……ねえ、気になる事があるんだけど」
「お?なんだ?」
黄色の光のホタルはモジモジとしながら話した。
「僕達は地上から遠く離れたお星さまを見ている」
「おう」
「逆に……お星さまは、空から遠く離れた地上の僕達の事を見ているのかな?」
「んー……」
黄色の光のホタルの疑問に緑色の光のホタルはしばらく考えてから答えた
「恐らく見てはいるだろう。でも、俺達の存在には気づいてないと思う」
「え!それどういうこと?」
「俺達ホタルは星のように光る事ができる。でも俺達の光は小さい。人間達が作った街灯やビルの光と比べるとそっちの方がはるかに大きい。
もし、星が地上を見ていたとしても、人間達の光が目立って俺達のような小さな光は目立たないだろう」
「そ、そんなぁ……」
緑色の光のホタルの答えに黄色の光のホタルは落ち込み、お尻の光を消してしまった、
「はあ……僕の光はあのこには見えていないのかなぁ……」
「ん?おいなんだよ『あのこ』って?一体誰の事を言ってるんだ?」
「あ……」
緑色の光のホタルの指摘に黄色の光のホタルは「しまった……」と後悔した。
「夜空を見て」
「ん?」
「金色の星が見えないかい?」
「……ああ、見えるな」
緑色の光のホタルは金色に輝く星を見つけた。
「僕ね、あの光を見ているととても落ち着くんだ。どうしてかはわからないけど、気持ちが落ち込んでいる時にあの光を見ると、心がとっても安らぐんだ」
「へーそりゃ不思議なもんだなー」
「僕はあのお星さまが気になるんだ。直接会ってお話がしたい。でも、そこに行くには遠すぎる。
だから夜空になる度に僕は『いつもありがとう』ってお尻を光らせているんだけど、さっきの話からすると、僕の光はお星さまには届いていないみたいだね」
黄色の光のホタルは金色の星を見つめた。
遠い遠いはるかかなたにいるお星さま
とてつもなく離れているはずなのに、その存在を放つ光はこの小さな僕にまで届いている
僕もこの光をお星さまに届けたい
でも、それには小さすぎる。遠くのお星さまに届けるには、お星さまと同じくらいの光でないとダメなんだ
「……僕達ホタルでも、お星さまと同じ光をだすことってできるかな?」
「お前、それ本気で言っているのか?星の光は人間の光よりもさらに輝いているんだぞ?俺達の体で人間の光を越えられると思うか?」
「でも、僕やっぱり、あのこにお礼を伝えたいんだ!」
「……お前、あの星に惚れたんだな。無理に近いことだと思うが、できなくはないと思うぞ。人間の光を越えられるようにがんばりな!」
「うん!僕がんばる!!」
黄色の光のホタルは上を向いて一生懸命お尻を光らせた。
届きそうで届かない僕の光
でも、僕は諦めない
お星さま、いつか僕の光を届けてあげるからね
おわり